エネルギー変換工学(核エネルギー変換工学分野)

限りあるエネルギーを限りなく安全に、かつ有効に利用するために

核反応によって生じるエネルギーを安全かつ効率的に利用するため、その発生と変換に関する物理および工学について研究をおこなう。基礎的な物理機構の解明に基づき、有効な制御手法を構築することによって、環境適合性の高いエネルギーシステムの実現に寄与することを目的とする。

具体的には、原子炉(核分裂炉、核融合炉)におけるエネルギーの有効利用と安全性に密接に関連した熱流体工学に関する研究を進め、特に混相流科学の確立をめざす。

教員

横峯 健彦 ( Takehiko YOKOMINE )

横峯 健彦教授(工学研究科)

研究テーマ

原子炉および核融合炉に関する熱流動工学、電磁流体、混相流工学、エロージョン、先進核融合材料工学の研究をおこなっています。また、新方式地熱発電の研究もおこなっています。

主な担当授業

核変換エネルギー工学、混相流工学、計算機数学

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C3d棟 d2S06室
TEL: 075-383-3922
FAX: 075-383-3922
E-mail: yokomine@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはnucleng.kyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)

河原 全作 ( Zensaku KAWARA )

講師(工学研究科)

研究テーマ

原子力プラントや淡水化プラントなどの大型エネルギー変換機器における伝熱現象や気液二相流体物理の解明、様々な手法による流れと伝熱の可視化など、熱流体科学に基礎と応用に関して幅広く研究を行っています。

主な担当講義

核エネルギー変換工学、エネルギー変換工学

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C3d棟2階 d2S02室
TEL: 075-383-3923
FAX: 075-383-3923
E-mail: kawara@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはnucleng.kyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)

成田 絵美 ( Emi NARITA )

講師(工学研究科)narita.JPG

研究テーマ

核融合炉において燃料となるプラズマの性能を予測するために、数値計算による乱流輸送の実験解析やモデル開発を行っています。

連絡先

桂キャンパス Cクラスター C3d棟2階 d2S04室
TEL: 075-383-3903
E-mail: narita.emi.5s@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはkyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)

研究テーマ・開発紹介

直接数値シミュレーションによる混相流現象の解明

管路および容器内の各種混相流現象や沸騰現象などの混相流現象を解明するための数値シミュレーション手法の開発・高度化(図-1参照)や、地球環境問題に関連して大気-海洋相互作用に伴う乱流風波シミュレーション(図-2参照)などをおこなっている。

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図-1 水が底面から加熱され、沸騰が生じている様子をシミュレーションしています。

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図-2  乱流風波によって海洋表面で砕波が発生する現象をシミュレーションしています。

実験による混相流現象の解明

磁場中の液体金属の沸騰や対流などの熱流動現象、管群を横切る気液二相流(図-3)、内部発熱流体の熱流動現象など、原子炉熱流動のみならず、化学・機械装置内の混相流に関する熱流体工学の基礎的な実験研究(図-4)をおこなっている。

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図-3 傾斜管群を横切って上昇する気液二相流の様子

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図-4 リング型気泡の生成法に関する基礎研究

マイクロ混相流現象の解明

超微細気泡を含む気泡流の乱流機構の基礎研究、環境問題低減化への応用技術の開発、並びに超微細マイクロ流路内を流れる表面張力支配型気液2相流現象の解明と先端工学・技術及び宇宙工学分野への応用を目指しています。

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図-5  マイクロ流路内の二相流挙動に関する基礎研究
直径50ミクロンの管内を流れる(a)液膜状の流れと(b)スラグ流状の流れ

機械学習を用いた核融合プラズマの理解・予測

核融合プラズマの理解や予測のために機械学習を利用した研究を進めています。プラズマを構成している粒子や粒子が持つ熱の流れは微視的な揺動によって支配されています。数値計算によって可視化された揺動の解析や粒子・熱の流れの高速な予測を行うニューラルネットワークモデルを開発しています。

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図-6  波数空間上での揺動の可視化及び機械学習乱流輸送モデルによる温度の予測