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核材料工学分野

持続発展型の社会を実現するためには、エネルギーの確保と環境の改善が欠かせません。二酸化炭素の排出が極めて少なく、資源も豊富に存在する、核融 合や原子力などの核エネルギーは、我が国に適した選択肢です。将来の有望なエネルギー源である水素を、環境に負荷をかけずに製造する方法としても、核エネ ルギーは注目されています。

私たちは、核エネルギーを安全に、そして有効に利用するための材料研究や開発をおこなって います。核エネルギーの開発・利用においては、厳しく廃棄物を管理し、実質的なゼロ・エミッションを達成してきました。また、極微量の汚染を除去する技術 を開発してきました。私たちは、これらの技術を、環境の改善や保全に役立てることも目指しています。

教員

高木 郁二 ( Ikuji TAKAGI )

高木 郁二教授(工学研究科)

研究テーマ

燃焼プラズマを目指した核融合炉プラズマ対向壁の研究、原子炉燃料被覆管の健全性評価、効率の良い水素吸蔵方法の開発をおこなっています。

主な担当講義

材料基礎学1、核材料工学

連絡先

桂キャンパス C3棟 d棟2S12室
E-mail: takagi@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはnucleng.kyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)
http://www.nucleng.kyoto-u.ac.jp/people/ikuji/

佐々木 隆之 ( Takayuki SASAKI )

佐々木 隆之教授(工学研究科)

研究テーマ

より安全で効率的な、廃棄物処分および核エネルギー資源リサイクルプロセスの確立を目的として、アクチノイド元素をはじめとする放射性核種の熱力学的特性に関する研究を行なっています。また、環境中での核種の移行挙動や化学状態を理解・予測するための分析手法の開発を進めています。

主な担当講義

原子核工学序論、放射化学、核燃料サイクル工学1

連絡先

桂キャンパス C3棟 d2S10
E-mail: sasaki@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはnucleng.kyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)

小林 大志 ( Taishi KOBAYASHI )

助教(工学研究科)

研究テーマ

放射性廃棄物地層処分の安全性評価の向上を目指して、放射性核種やアクチニド元素の溶解度や錯生成反応等の溶液化学研究を行っています。

主な担当講義

基礎量子科学、放射化学、原子核工学実験

連絡先

桂キャンパス C3棟 d2N04室
E-mail: kobayashi@* (スパム対策のためメールアドレスを省略しております。@の後にはnucleng.kyoto-u.ac.jpを追加して下さい。)

研究テーマ・開発紹介

限りある核エネルギー資源の安全で有効な利用方法の開発

原子力発電の燃料であるウランは、火力発電の燃料である石油や石炭と同様、限りある資源です。リサイクルするとより有効に利用することができますので、ゼロ・エミッションを達成する核燃料サイクルの技術開発を、化学的なプロセスの開発や物理化学的な基礎研究のもとに進めています。

原子力発電所からはエネルギーの利用に伴って放射性廃棄物(核分裂生成物や原子炉材料)が発生します。この廃棄物を地中の奥深くに埋設して長期間安全に隔離するための技術的手法や基礎データの収集をおこなっています。

この技術は、現代社会が求めている循環型・環境調和型技術に内包されるものであり、一般的なリサイクルの化学や工学に敷衍していくことを目指しています。特に、放射性廃棄物処分場の環境安全評価のための基礎データ収集は、早急の課題であり、地球規模で問題となっている有害重金属や環境ホルモンの環境動態解明にも、重要な知見を与えるものと考えています。

核エネルギー材料の安全性評価と材料改質への応用

核融合炉や原子炉の内部は高熱流束、高粒子束、高温、高圧などの厳しい環境にあります。特に、核融合炉ではプラズマ対向壁という、高温プラズマを囲う部分や、原子炉では被覆管という、核燃料を閉じ込める部材の環境が厳しく、安全性の確保を目的として、これらに用いられる材料を実験的に研究し、健全性を調べています。

核エネルギー材料の特徴として、放射線に曝された結果、その性質が変わってしまうことが挙げられます。上に述べた研究の成果を応用し、放射線によって、材料の性質を良い方向に変えていくための研究開発をおこなっています。

より高度な環境低負荷型リサイクルシステムのための分離原理研究

経済的で無駄のないシステムの開発は、放射性廃棄物の減量化に直接結びつきます。発電用原子炉による核エネルギー利用の高効率化と共に、多くのリサイクル方法が提案されています。これらの技術は、使用済燃料からウランやプルトニウムを取り出すための分離・精製・濃縮に関する多くの実験的・理論的知見に基づいています。

開発に必要な基礎データを、プロセス化学・溶液化学的手法を用いて蓄積し、より高度な新規反応場におけるリサイクルシステムの原理構築を目的としています。実験においては、簡便な化学分析装置から加速器・中性子散乱等の大型放射線施設まで多岐にわたり利用しています。

さらに、原子核工学が培ってきた量子科学が係わるミクロな観点に立脚して、バックエンドプロセスに用いる新しい素材開発を幅広く進めています。